長崎東工場見学者動線
VISITOR FLOW Nagasaki City East Incineration Plant
本プロジェクトは三菱・フジタ・MHITC特定建設工事共同企業体により、2026年6月に竣工した長崎県・長崎市にある長崎市新東工場(ごみ処理施設)内における、見学者動線の内装計画です。
本計画は4つのエリア[管理棟1階エントランス、3階展示ホール、渡り廊下、工場棟4階炉室・プラットホーム・ごみクレーン見学ゾーン]にわたる見学者動線を「地域への愛着を感じ、環境配慮への理解が深められる施設」をコンセプトとしたストーリーで繋いでいます。
この場所は小高い丘の上、海を臨み、森の木々に囲まれた豊かな自然の中に位置しています。
設計を進めるにあたり、敷地周辺および長崎県の自然を丁寧に調査・観察することから始め、この土地が備えている場所性を引きこむことで、地域の風土、環境をより身近に感じられる場所を目指しました。
本施設はごみ処理の機能を持つ工場棟と、長崎市及び運営事業社のための管理棟、それらを繋ぐ渡り廊下によって構成されています。
見学者は、管理棟1階エントランスから入館し、3階展示ホールで清掃工場について学んだあと、2つの建物を繋ぐ渡り廊下によって工場棟へとアクセスします。工場棟では炉室やプラットホーム、ごみクレーンを見学することで、施設への理解が一層深まる動線計画となっています。
施設の顔となる1階エントランスにはシカ、タヌキ、サルなど長崎の森を棲み処とする動物たちが優しいタッチのイラストレーションで描かれ、お客様を迎えます。この動物たちは、これから始まるストーリーへの期待感を高めながら、まるで来訪者を案内するかのように見学者動線の随所に現れます。
エレベーターで向かった先にある3階展示ホールは、広々とした空間の中でごみ処理施設や長崎市について様々な発見することができる、学びを深める場所です。
工場棟へと向かう約60mの渡り廊下は、森から砂浜へ続く小径をモチーフとしポン、ポン、タタンとリズム感を持つ床と、長崎の動物や植物が描かれたグラフィックにより、森の中を散策し、島の浮かぶ海へと向かうような演出としました。渡り廊下を抜けると現れる工場棟4階炉室・プラットホーム・ごみクレーン見学エリアは、海と空を想起するブルーを基調とし、そこに浮かぶ島々を想起するような曲線を用いることで、海と空に囲まれた長崎の原風景をモチーフとしています。
グラフィックが建築空間の中で文脈を持つ構成とすることで、イラストレーションの存在をまるで自然そのもののように説明書きの無い学びへと昇華させています。
「未来へつなぐ、長崎の森」をテーマに、温かみのある水彩トーンのアートワーク、木目などの内装素材を調和させることで、硬質な工場環境の中に優しく包み込まれるような世界観を創出しました。さらに、1階から4階へ進む見学ルートの遷移に合わせてグラフィックモチーフ(森・海・島・空)や床のパターンを連動させ、散策するような高い回遊性と直感的な誘導機能を両立させることで、子どもから大人まで深く惹きつける質の高い環境教育プラットフォームを実現しています。
建築・素材・グラフィックが融合したこの空間は、工場特有の無機質さを心地よい体験へと変容させ、見学者の記憶に深く刻まれる次世代の環境学習空間を提示しています。
ARCHITECT: NOW
PROJECT TEAM: GEN SUZUKI,SAYOKO KUMAGAI
INTERIOR DESIGN;NOW
ARCHITECTURAL DESIGN:FUITA CORPOLATION
CONSTRUCTION:FUJITA CORPOLATION
GRAPHIC DESIGN:MIYUKI KOTANI
PHOTO: Tololo STUDIO
YEAR: 2026









